韓国代表が金メダル、アジア大会で2連覇

2026年アイチ・名古屋アジア大会のeスポーツ競技、『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL、5人で協力して相手チームの陣地を攻略する対戦ゲーム)で、韓国代表が台湾を破り、金メダルを獲得した。韓国チームにとって、前回大会に続く2大会連続の優勝となる。

代表メンバーは、イ・サンヒョク(フェイカー)、チェ・ウジェ(ゼウス)、キム・ゴンブ(キャニオン)、キム・ゴヌ(ゼカ)、イ・ミンヒョン(グマユシ)、リュ・ミンソク(ケリア)。世界的な知名度を持つフェイカーは、この大会でも大きな注目を集めた。

「eスポーツ代表チームが2連覇を達成できて、うれしく誇らしいです」

3大会連続出場、金メダルまでの歩み

30歳のフェイカーは、2018年のジャカルタ・パレンバン大会から3大会連続でアジア大会に出場した。2018年大会では銀メダルを獲得し、LoLが正式競技となった2022年の杭州大会では金メダルに輝いた。今回の優勝により、個人としても2大会連続の金メダルを手にした。

2026年大会の決勝では先発メンバーに選ばれなかった。それでも、本人はチームの金メダルを最優先の目標にしていたと振り返り、出場機会が限られたことへの思いはありながらも、準備の過程で力を尽くしたため後悔はないと語った。

経験を生かし、チームを支える

フェイカーは試合に出るだけでなく、過去の大会を経験した選手として、仲間に助言を送る役割も担った。大舞台では、選手は技術だけでなく、緊張や試合の流れにも向き合わなければならない。経験者の言葉や落ち着いた姿勢は、チームにとって支えになりうる。

決勝では韓国が難しい局面を乗り越えた場面もあったという。フェイカーは、選手たちが粘り強く戦って勝利をつかむ姿に心を動かされたと話し、最後まで諦めずに競うことこそスポーツの大きな魅力だと述べた。


会場を埋めた声援、アジアで広がる人気

会場には、名前入りの応援グッズや横断幕を持ったファンが朝早くから集まった。韓国から応援に来た人だけでなく、日本のファンも声援を送り、観客席はアイドルのファンイベントを思わせる熱気に包まれた。対戦相手のインド代表選手は、フェイカーに会うことをサッカーのリオネル・メッシに会うようなものだとたとえた。

前回の杭州大会でも大勢のファンを集めたフェイカーは、今回も競技の枠を超えた注目を浴びた。ほかの競技の選手や大会関係者、ボランティアから写真撮影を求められることもあったという。本人は、アジアでeスポーツの人気が高まっていることを感じるとし、これまでの歩みを応援してくれる人々に感謝を示した。

ファンの注目が映す競技の広がり

eスポーツとは、コンピューターゲームの対戦を競技として行うものだ。試合では反射神経だけでなく、相手の作戦を読む力、仲間との連携、状況に応じて判断を変える力も求められる。たとえば、相手がどの場所を攻めるかを予測し、チームで守り方や攻め方を決める点は、球技の戦術に通じる部分がある。

選手たちは試合に向けて新しい技術や戦術を練り、練習を重ねる。今大会は予選から決勝まで日中に試合が行われたため、普段は午後を中心に試合をする選手たちが、起床時間や生活リズムを調整して備えたという。画面上の競技であっても、準備やチームワークが勝敗を左右する。


「スポーツかどうか」の議論と、続く大会への期待

eスポーツがスポーツに当たるのかをめぐっては、今もさまざまな意見がある。アジア大会で競技種目が追加されたことをきっかけに、競技としての位置づけが改めて話題になった。2030年のドーハ大会では正式競技から外れる可能性も取り沙汰されているが、今後の扱いは確定していない。

フェイカーは、意見が分かれるのは理解できるとしたうえで、eスポーツの良さにも目を向ける人が増えていると話した。ファンや選手が楽しめる大会が続き、さらに魅力ある試合が生まれてほしいという。

「eスポーツを好きなファンや選手のためにも、大会が続き、もっと楽しく面白い試合が増えてほしいです」

子どもたちへ「好きなことに挑戦し、ゲームは適度に」

自分の姿をきっかけにeスポーツに興味を持つ子どもたちへ、フェイカーは、好きなことを見つけて情熱を持ち、楽しく挑戦してほしいと伝えた。一方で、ゲームには夢中になりやすい面があるとして、長時間遊び続けないよう注意も促した。

子どもは自分だけで遊ぶ時間を調整するのが難しい場合がある。そのため、保護者と相談しながら、勉強や睡眠、運動などとのバランスを取り、健康的な範囲で楽しむことが大切だという。

  • 好きなことを見つけ、楽しみながら挑戦する。
  • ゲームに夢中になりすぎないよう、遊ぶ時間を意識する。
  • 自分で調整しにくいときは、保護者と相談する。

次は世界選手権へ、新たな挑戦

アジア大会を終えたフェイカーは、所属チームに戻り、北米で開催されるLoL世界選手権に向けて準備を始める。代表活動を通じて多くを学び、挑戦への情熱がさらに強くなったと語った。

「結果だけでなく、準備する過程そのものに集中して、新しい挑戦に臨みます」

金メダルという結果だけでなく、出場機会にかかわらずチームを支えた姿勢や、ゲームとの健全な付き合い方を伝えた言葉も、大会後に残った印象の一つだ。フェイカーは次の舞台へ進み、韓国代表として得た経験をクラブでの戦いにつなげようとしている。