SK株約9440億ウォン分を売却へ

SKグループ会長の崔泰源氏は、グループの持ち株会社であるSKの株式165万3924株を売却する計画を明らかにしました。売却予定額は9439億9900万ウォンで、約9440億ウォンに相当します。

SKが2026年10月2日に公表した内容によると、取引の目的は「保有株式の売却による個人資金の確保」です。裁判所が離婚に伴う財産分与として命じた金額と、今回の売却予定額はほぼ同じです。

売却が計画どおり実施されれば、崔氏は財産分与の支払いに向けて、保有するSK株の一部を現金化することになります。

取引は11月2日からの予定

株式の売却は、発表から約1カ月後の11月2日に始まる予定です。売却予定株数の内訳は、証券会社との契約分と、戦略的投資家への売却分に分かれています。戦略的投資家とは、資金運用だけでなく、事業上の連携なども視野に入れて企業に投資する相手を指します。

  • 68万1431株(全体の約41%):1株当たり58万7000ウォンで、証券会社と契約。
  • 97万2493株(約59%):1株当たり55万9387ウォンで、戦略的投資家に売却する予定。
  • 取引相手の具体的な名前は公表されていません。

このうち証券会社との契約には、株価収益スワップが使われます。これは、契約期間中の株価の変動に応じて、当事者どうしが利益や損失を精算する仕組みです。契約期間は3年間とされています。

市場への影響を抑える方法

売却は、通常の取引時間中に少しずつ株式を売るのではなく、時間外にまとまった株数を取引する方法で行われる予定です。大量の売り注文が市場に一度に出ると、株価に影響を与える可能性があります。取引方法を工夫することで、市場への影響を小さくする狙いがあるとSKは説明しています。


売却後も最大株主の地位を維持

売却がすべて完了すると、崔氏が保有するSK株は1297万5472株から1132万1548株へ減る見込みです。持ち株比率は17.8%から15.5%に低下し、親族などの関係者を含めた持ち株比率も25.2%から22.9%になるとされています。

一方、SKは、取引後も崔氏が最大株主であることに変わりはなく、会社の安定した経営基盤にも影響しないとの見解を示しました。最大株主とは、企業の株を最も多く持つ株主のことです。ただし、持ち株比率が下がることで、株主構成や経営への影響を市場がどう評価するかは、今後も注目されます。

SKは、今回の売却後も崔氏の最大株主としての地位は維持され、安定した経営基盤に変化はないとしています。

財産分与をめぐる裁判

崔氏と、アートセンター・ナビ館長の盧素英氏は1988年に結婚しました。崔氏は2015年、婚外子の存在を公表し、2017年に離婚調停を申し立てましたが、合意には至りませんでした。その後、崔氏が2018年に離婚訴訟を起こし、盧氏も2019年に対抗する訴えを起こしました。

2026年7月24日、差し戻し審の裁判所は、崔氏に対して盧氏へ現金で9440億ウォンの財産分与などを支払うよう命じました。差し戻し審とは、上級の裁判所が判断を見直すよう下級の裁判所に事件を戻した後、改めて行われる審理です。崔氏はこの判断を不服として、再び上級審に申し立てています。

今回の株式売却は、判決で示された財産分与額とほぼ同額です。ただし、売却計画の公表だけで支払いが完了したことを意味するわけではありません。実際の取引や裁判の手続きがどのように進むかは、今後の動きを確認する必要があります。


企業と株主が注目する今後の焦点

今回の発表で注目されるのは、個人の財産分与に必要な資金を得るために、韓国有数の財閥グループを率いる会長が、傘下の持ち株会社の株式を大きく売却する点です。株式の売却は個人の資金確保に直結する一方、企業の株主構成や株式需給にも関わります。

今後、投資家や市場関係者が確認する主な点は次のとおりです。

  • 11月2日以降、予定された株式の売却が計画どおり進むか。
  • 大口取引がSK株の価格や取引量にどの程度影響するか。
  • 持ち株比率の低下が、SKの経営体制や株主の見方に影響するか。
  • 財産分与をめぐる裁判が、再度の審理を含めてどのように決着するか。

現時点では、取引相手の詳細や、売却後の株式がどのように保有・運用されるかは明らかになっていません。取引の実施状況と裁判の進展が、今後の企業経営と市場の評価を見極めるうえで重要になります。