危険すぎて公開不可?謎のAIモデル「Mythos」

AI開発企業Anthropicの共同創業者であるジャック・クラーク氏が、同社の最新モデル「Mythos」について、トランプ政権に詳細を報告したことを明らかにしました。

このモデルは先週発表されましたが、あまりにも強力なサイバーセキュリティ能力(コンピュータネットワークへの攻撃や防御を行う技術)を持っているため、一般には公開されない方針です。

「Mythosは非常に危険な能力を秘めているため、一般公開せず、政府などの限定的な範囲で管理される必要があります」

政府との「複雑な関係」:訴訟しながらも協力する理由

興味深いのは、Anthropicが現在、トランプ政権の国防総省(DOD)を相手に訴訟を起こしている最中であることです。国防総省が同社を「サプライチェーン・リスク(供給網における安全上の懸念がある企業)」と認定したことが発端となりました。

特に、軍がAIを大量監視(不特定多数の人々を常に監視すること)や完全自律型兵器(人間の判断なしに攻撃する武器)に利用することに、Anthropicは強く反対しています。

国家安全保障への責任

しかし、クラーク氏は政府との対立がある一方で、国家安全保障への協力は不可欠だと主張しています。

  • 契約上の争い: 国防総省との問題は「限定的な契約上の争い」に過ぎない。
  • 政府への情報提供: AIが経済を革命的に変える今、政府は最新技術を把握しておく必要がある。
  • 今後の連携: Mythosだけでなく、次世代モデルについても政府と対話を続ける意向。

AIが変える「仕事」と「学び」の正解

クラーク氏は、AIが社会に与える影響、特に雇用や教育についても言及しました。CEOのダリオ・アモデイ氏は、AIによって大恐慌時代のような深刻な失業が起こる可能性を警告していますが、クラーク氏の見解は少し異なります。

雇用への影響

クラーク氏は、現時点では一部の業界で「大学院卒業後の就職状況にわずかな弱さ」が見られる程度であると分析しています。ただし、急激な雇用シフトが起きた場合に備え、準備は整えているとしています。

これからの学生が学ぶべきこと

AI時代に大学生がどの専攻を選ぶべきかという問いに対し、クラーク氏は「統合的な思考力」の重要性を説きました。

「AIを使えば、あらゆる分野の専門家の知識にアクセスできます。本当に重要なのは、正しい問いを立てること、そして異なる分野の知見を掛け合わせて新しい視点を得る直感力です」

つまり、一つの専門分野に特化するよりも、複数の科目を横断して分析し、統合する能力(シンセシス)を持つことが、AI時代を生き抜く鍵になると結論づけています。