長時間のフライトが体に与える影響
海外旅行から戻ったあと、体の痛みや強い疲れを感じる人は少なくありません。観光の予定を詰め込みすぎたことだけでなく、飛行機で長く座り続けることも、体調に影響する場合があります。
機内では、足を動かす機会が減り、食事や睡眠の時間も普段と変わりやすくなります。さらに、乾燥した空気の中で水分補給が不足すると、脱水(水分が足りず、体の働きに影響が出る状態)につながることがあります。
フライト中の疲れをゼロにすることは難しくても、食事、水分、体の動かし方を少し意識するだけで、到着後の負担を軽くできる可能性があります。
1.搭乗前に栄養のある食事をとる
空腹のまま搭乗すると、長い移動の途中で集中力や気分に影響が出たり、落ち着いて休みにくくなったりすることがあります。搭乗前には、野菜や果物、穀物、たんぱく質を含む食事をとり、旅行中に使うエネルギーを補っておきましょう。
例えば、全粒粉のパンと卵、ヨーグルトと果物、おにぎりと豆腐や鶏肉など、無理なく食べられる組み合わせが選択肢になります。出発直前に食べ過ぎると不快感につながることもあるため、量は自分の体調に合わせてください。
空腹対策も準備する
食事の時間が長く空きそうなら、ナッツや果物など、持ち運びやすい軽食を用意すると便利です。機内食の提供時間は便や航空会社によって異なるため、食事をとれるタイミングを事前に確認しておくと安心です。
2.水分をこまめに補給する
機内の空気は乾燥しやすく、長時間過ごすうちに喉や肌の乾きを感じることがあります。水やお茶などを少しずつ飲み、喉が渇ききる前から水分を補給しましょう。飲み物を一度に大量に飲むより、定期的に口にするほうが続けやすい方法です。
アルコールは眠気を誘うように感じられる一方、睡眠の質や水分バランスに影響することがあります。カフェインを多く含む飲み物も、人によっては寝つきにくさや落ち着かなさにつながるため、フライトの長さや自分の体質を考えて量を調整してください。
水分補給の小さな工夫
- 搭乗前に水を用意し、機内でも飲めるようにする
- 乾燥や喉の渇きを感じる前に、少しずつ飲む
- 持病などで水分摂取に制限がある場合は、医師の指示を優先する
3.座りっぱなしを避け、足を動かす
長時間同じ姿勢でいると、足のむくみやこわばりが気になることがあります。安全に移動できる状況であれば、時々立ち上がって通路を歩き、足首やふくらはぎを軽く動かしましょう。シートベルト着用サインが点灯しているときは、座席を離れずにできる動きを選んでください。
座席に座ったままでも、つま先を上下させる、足首をゆっくり回す、かかとを床につけたまま足先を上げるといった運動ができます。隣の人のスペースを妨げない範囲で、無理のない動きを数回繰り返すのがポイントです。
血流への配慮が必要な人
長時間動かない状態が続くと、まれに脚の血管に血のかたまりができることがあります。これは深部静脈血栓症(脚の深い部分の血管に血栓ができる状態)と呼ばれ、長時間の移動に関連して注意が促されることがあります。
過去に血栓症を経験した人、妊娠中の人、手術後の人など、リスクが気になる場合は、搭乗前に医療機関へ相談してください。着圧ソックスなどを使うかどうかも、体の状態に応じて専門家に確認することが大切です。
4.眠る環境を整え、休息をとる
時差や機内の明るさ、周囲の音は、普段どおりに眠ることを難しくします。アイマスクや耳栓、首を支える枕など、自分が使いやすいものを用意すると、休みやすい環境を作れます。衣服は締めつけの少ないものを選び、体温調節ができる上着も手元に置いておきましょう。
到着地の時間に合わせて眠るかどうかは、フライト時間や到着時刻によって変わります。到着後すぐに活動する予定なら、機内で少しでも休むことが役立つ場合があります。一方、眠れないからといって焦らず、目を閉じて体を休ませるだけでも、刺激を減らす時間になります。
5.衛生と体調の変化にも気を配る
機内では、食事の前やトイレを利用した後に手を洗う、または手指消毒をするなど、基本的な衛生習慣を続けましょう。よく触れる場所が気になる場合は、無理のない範囲で手を清潔に保ち、目や口に触れる前にも意識して手を確認してください。
また、気分が悪い、息苦しい、強い痛みがあるなど、いつもと違う症状が出た場合は、我慢せず客室乗務員に伝えましょう。持病の薬がある人は、預け荷物ではなく手荷物に入れ、必要な薬をすぐ取り出せるようにしておくと安心です。
出発前の準備が到着後の負担を左右する
長時間の移動を快適にするために、特別な道具や難しい運動が必要なわけではありません。搭乗前に食べる、水を少しずつ飲む、座席で足を動かす、休める環境を整えるといった小さな行動を組み合わせることが大切です。
- 搭乗前に、栄養のある食事をとる
- 機内では水分をこまめに補給する
- 足首やふくらはぎを動かし、可能なら時々歩く
- アイマスクや上着などで休息しやすくする
- 薬や体調に関する準備を手荷物にまとめる
体調や持病によって適切な対策は異なります。強い症状がある場合や、長時間の移動に不安がある場合は、旅行前に医療専門家へ相談してください。



















