金相旭・蔚山市長は、公職選挙法(공직선거법)違反などの容疑で告発された事件に関連し、10月4日に蔚山警察庁(울산경찰청)で聴取を受けた。金市長は午前8時ごろに出頭し、午前11時20分ごろ警察庁を後にした。告発対象者として聴取を受けるために警察に出向いたのは初めて。聴取後、同市長は容疑をすべて否認し、「すべて説明できる部分なので、十分に説明した」と述べた。

今回の聴取は、選挙過程で提起された主張と、それに対する反論が警察の捜査段階に移ったことを意味する。ただし、聴取を受けたという事実だけで容疑が確認されたわけではない。金市長がどのような供述をしたのか、警察がどのような資料を確認したのかは公表されていない。

背景と経緯

金市長は6月3日の統一地方選で、共に民主党(더불어민주당)と進歩党(진보당)の蔚山市長候補一本化が進められていた際、一部勢力による組織的な介入の兆候があると主張し、世論調査の中止を宣言した。その後、再予備選を経て一本化候補となり、選挙で当選した。この過程で出た主張や発言が、今回の公職選挙法事件の背景にある。

国民の力・蔚山市党(국민의힘 울산시당)は、組織的な介入が確認されていないにもかかわらず、金市長がそれを事実であるかのように述べたとして、虚偽事実の公表や業務妨害などの容疑で告発した。この日の聴取は、12月3日に公訴時効が満了する公職選挙法事件に集中したと伝えられている。これは報道された聴取の焦点であり、警察が実際に何を確認したのかまで明らかになったわけではない。

金市長をめぐる告発は、この問題に限らない。同市長は、弁護士時代にフィリピンで売春をしたとの疑惑に関連しても告発されており、選挙を前に疑惑を覆い隠すため、関係者が特定の人物に金品を渡したとの疑惑も記事で言及された。国民の力・蔚山市党は最近の記者会見で、これらの疑惑を改めて主張した。これらも告発や主張として報じられた内容であり、事実と確認された結論ではない。

金市長は聴取後、「前後のつじつまも合わない無理な主張が多い」と述べた。また、過ちがあれば罰を受けるが、嫌疑なしとの判断が出た場合、虚偽の宣伝や扇動をした人々は政治的責任を負うべきだと話した。さらに10月3日のフェイスブック投稿では、警察の捜査で嫌疑なしとなれば、疑惑を提起した政治家は議員職を辞して政界を引退し、疑惑を拡大・再生産したメディアは公式に謝罪すべきだと記した。具体的な供述内容や、聴取で焦点となった点については明らかにしなかった。

このニュースが意味すること

蔚山市民にとって重要なのは、告発をめぐる応酬そのものよりも、どのような根拠と手続きによって捜査結果が出されるかだ。選挙過程で提起された疑惑が事実かどうかと、その疑惑を公表した方法が法的責任につながる問題かどうかは、それぞれ分けて検討する必要がある。現在公表されている情報だけでは、どちらの主張が正しいのか判断できない。

地域政治の責任をめぐる議論も、捜査結果とは区別する必要がある。金市長は、嫌疑なしとなった場合、疑惑を提起した政治家やメディアが責任を負うべきだとの立場を示したが、これは当事者の要求だ。捜査機関の処分や裁判所の判断が出る前から、告発内容や反論を確定した事実のように受け止めれば、疑惑の提起と事実確認との境界が曖昧になりかねない。

たとえば、市民が選挙当時の主張に触れた際、その主張が告発内容なのか、捜査で確認された事実なのか、当事者がどのような反論をしたのかを分けて見ることが、判断の助けになる。特に、売春や金品の提供をめぐる疑惑と、候補一本化の過程での公職選挙法事件は、異なる主張や容疑が一緒に言及されているため、一つの疑惑に関する捜査の経過を、別の疑惑が事実かどうかにまで広げて解釈すべきではない。

関連制度・支援情報

告発とは、被害者など告訴権を持つ人でなくても、捜査機関に犯罪事実を知らせる手続きだ。社内法律ガイドによると、告訴・告発は検察官または司法警察官に書面もしくは口頭で行うことができ、口頭で受理した場合は調書を作成しなければならない。告発が受理されたことは捜査開始のきっかけになり得るが、それ自体が容疑の立証や処罰の確定を意味するわけではない。(L1)

捜査後、検察官が事件を裁判に付さない不起訴処分とすることもある。不起訴には、嫌疑なし、起訴猶予、訴追権なしなど複数の種類があり、それぞれ理由や効果が異なる。告訴人や告発人が不起訴処分に異議を申し立てる場合、通常は抗告を経て裁定申立てを行う手続きが案内されており、ガイドには処分通知を受けた日から30日以内に抗告、抗告棄却の通知を受けた日から10日以内に裁定申立てを行う期限が示されている。ただし、事件当事者の立場や例外事由によって手続きは異なる場合があるため、実際に通知を受けた場合は適用される法令と期限を確認する必要がある。(L2)

この事件で最終的にどのような処分が下されるのか、誰がどの手続きを利用するのかは、まだ明らかになっていない。したがって、上記の手続きは今回の事件の今後の展開を断定するものではなく、告発事件で不起訴処分が下された場合に確認できる一般的な制度の案内だ。(L1、L2)

確認された事実と、まだ分からないこと

確認された事実

  • 金相旭・蔚山市長は10月4日、蔚山警察庁で告発対象者として聴取を受けた。
  • 金市長は容疑をすべて否認し、十分に説明したと述べた。具体的な供述内容は公表していない。
  • 国民の力・蔚山市党は、候補一本化の過程での組織的介入をめぐる主張が事実であるかのように公表されたとの趣旨で、金市長を告発した。
  • 警察の聴取は、12月3日に公訴時効が満了する公職選挙法事件に集中したと伝えられている。

まだ分からないこと

  • 警察の聴取で交わされた具体的な供述や、確認された証拠が何か。
  • 公職選挙法事件を含む各告発の捜査結果と最終処分がどうなるか。
  • 告発人が各疑惑を裏付けるために提出した具体的な資料が何か。

読者が確認すべきこと

  • 続報を読む際には、「告発された」「主張した」「捜査で確認された」「処分が下された」という表現を区別して確認する必要がある。
  • 捜査結果が不起訴処分につながった場合、告訴人・告発人など当事者の立場によって不服申立ての手続きや期間が異なることがあるため、通知書に記載された処分理由と日付を確認すべきだ。
  • 公訴時効の満了日として報じられた12月3日と、警察の捜査結果は別々に確認すべき事項だ。現在の報道だけで最終処分や捜査結果をあらかじめ断定することはできない。

参考資料